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Posted by TI-DA at
ご訪問いただきありがとうございます。

相変わらず、いいお天気が続いていますね!





今日、4時間目の授業を始めようとしたら、

A君とB君がヘルパーさんに連れられて教室に入ってきました。

「大げんかしました。」とのこと。



A君がふざけて、グルグル回っていたら、足がB君に当たったのだそうです。

結構強く当たって、B君は猛烈に怒ったのだとか。

A君は謝ったのですが、B君はどんどん怒りがエスカレートして「許さない!」と大声。

するとA君は、「オレが悪いんだ。」と言いながら、自分の顔や頭、腕などをゲンコツで叩き始めたそうなのです。




ヘルパーさんから、事の成り行きを聞いた後、2人とゆっくり話をしました。



A君とB君は、自閉症スペクトラムです。

どちらも、コミュニケーションに課題があります。

A君は多弁ですが、一方的に喋ります。また、相手との物理的な距離感を取ることが苦手です。

B君は話すことが苦手です。話したいことはいっぱいあるのに、言葉がうまく出てきません。

そんな2人のケンカですから、叱っても諭しても、私の感覚で話す言葉では、うまく伝わらないことが予想されます。

2人のとらえている「事実」が異なるのですからねー(-.-;)y-~~~




大事なのは、彼らの「言葉」で話をさせること。

B君は話すことが苦手なので、私が言葉を足してサポートしながら、心の中の思いを吐き出させます。

A君にはそもそも、悪気はないのですから、彼が自傷行為をしないように気をつけながら、

A君自身の思いを吐き出させます。




そんな風にして言葉のやり取りをしているうちに、

お互いに、相手の気持ちがわかってきたようです。

B君が「許す」というニュアンスのことを言うと、

A君は「オレ、なんだか涙が出そうになってきた。先生、ティッシュ借りていい?」と言い、

ティッシュで涙を拭きました。

なぜ、涙が出てきたのか。A君自身にもわからないようです。

「B君が許してくれたからホッとしたのかな」と、彼の気持ちを代弁するとつもりで言ってみました。

すると、A君は大きくうなずき、「うれしい」と言って、また涙を流したのでした。

そんなA君の様子を見て、B君も何かを感じたらしく、神妙な顔をして「もう、いいから」とポツリ。

2人とも、優しい顔になりました。



やれやれ。



時間はかかりましたが、こうやって少しずつ、

自分の気持ちに折り合いをつけたり、

相手の気持ちになって考えたりすることを学んでいくのだと思います。



大人の余計な言葉は不要です。ね。



ただひとつだけ、、、

A君の自傷行為は気になります。

これからも気をつけて見守りたいと思いました。




それでは、またね、








  

Posted by 嶺井ゆかり at 22:43Comments(0)特別支援教育

2018年09月09日

自閉症について

ご訪問いただきありがとうございます。



マンガ『光とともに』。。。2巻と3巻を一気に読んでしまいました(⌒-⌒; )



娘(6年生)も夢中になって読んでいます。



2巻では、光くんは小学校に入学します。

担任の青木先生は、読んでいる私が勉強になるほど、しっかりした考えを持ち、

対応の仕方もとっても参考になりました。



入学式の場面では、光くんの交流学級の保護者に、自閉症について説明する場面があります。

とても分かりやすいので、ここで引用しますね。




今日入学した東 光くんは、自閉症という障害を持っています。

自閉症は、脳機能に生まれつき問題のある発達障がいです。

決して親の育て方や接し方で後からなるものではありません。

どんな所が私たちと違うかというと、“感じ方”です。

目もみえ、耳も聞こえているのですが、光くんの中でそれがうまく伝わりません。

先ほどの入学式で泣き出したのも、赤ちゃんの泣き声がたまらなくつらかったからです。

他にも、そっと触れられたり、ぎゅっと抱きしめられるのが光くんは苦手です。

声をかけても気づかずに通り過ぎることもあります。

それらは全て、感覚を司る機能がうまく働いていないからです。

混乱した感覚の中で、必死で生きているのです。

どうか温かく見守ってあげてください。

しかし、字は読めます。

タイミングが良ければ、短い言葉も分かります。

どうか、話しかける時は、短い言葉で具体的にゆっくりと!

伝わらない時は、ひらがなか身振りを使って、外国人に話しかけるようにお願いします。

さっきのようにパニックを起こした時は、おさまるまで静かに待ってください。

力づくで制止しても逆効果です。

おさまったら、これから何が起こるかを伝えてください。

先の見通しがつくと安心するのです。






このマンガの初版は平成14年です。

自閉症・広汎性発達障がい・高機能自閉症・アスペルガー症候群・ADHD・・・など、

発達障害を細かく分類して呼んでいました。

実際、私たちが発達障がいについて初めて研修を受けた平成19年以降も、

病院から出されたこの様な診断名を見て、何となくイメージしていたところがあります。

でも、今ではこれらを総称して、『自閉(症)スペクトラム』と呼んでいます。

病院からの診断書にも、この診断名を多く見るようになってきました。




一人一人、特性が違うので、本人をよく観察することが大事なんだな、と今では分かりますが、

それまでは、細かい診断名に当てはめて見ていたような気がします。

その子の様子をよく観察して、いろんなアプローチを試してみて、

うまくいったことをデータとして自分の中に蓄積していくことで、よい指導ができるようになる。



今はそう思えるので、指導が上手くいかなくても焦らなくなりました。

ゆっくり、ゆっくり。

これ、教育の基本だよね、と最近は思います。

子どもは、1日にして育たず、です。



それでは、またね。






  

Posted by 嶺井ゆかり at 12:13Comments(2)特別支援教育

ご訪問いただきありがとうございます。

学校の図書室に、こんな本(マンガ)がありました。



子どもたちに結構人気らしく、予約してやっと1巻から3巻まで借りることができました。



このマンガは、自閉症の子をもつ数多くの母親から聞いた話をもとに描かれたフィクションです。

主人公の光(ひかる)くんと、家族との物語です。

生まれた時から、幼児期・保育園・小学校・・・と、家族の成長・お母さんの心情が細やかに描かれていて、

私自身、考えさせられるエピソードがいくつもありました。



保育園での初めての保護者会で、光くんが、キラキラしたアクセサリーに反応して、

無理やりそのアクセサリーを取ろうとするハプニングがありました。

もちろん、本人には悪気はありません。

お母さんは、光くんが自閉症であることを告げ、その場で平謝りしました。



保護者会が終わったあと、気のいいお母さんたちが声をかけてくれました

「本当に大変ねえ。」

「頑張ってね。さっきのだって、私たちぜんぜん気にしてないから。」




何気なく言った、あるいは、励ますつもりで言ったその言葉に、

光くんのお母さんはこんなことを思います。

(ただ、他人事なだけ。同情しながら人を見下していることに気づいていないだけ。)




はっとしました。




もしかしたら、私も同じように、知らず知らずのうちに、保護者の方を傷つけたことがあったかも知れない。



「保護者の気持ちに寄り添う」と言う姿勢が大事だと言われています。

もちろん、その通りで、そうしてきたつもり。。。

でも、寄り添ってきた「つもり」で、実際にはどうだったんだろう。。。と自分を振り返りました。




学校では、こうあるべき。(だって義務教育だから。)

保護者はこう思うに違いない。(だって特別な支援が必要だから。)



「べき」や「当たり前」が前提にあると、大事なことを見落としてしまうかも。

大切なのは、目の前にいる子どもたちやその家族と、同じ立ち位置で見たり感じたりすることかも。

そして、一緒に考えていくこと。。。



まだ、1巻しか読んでいませんが、私は大きく揺さぶられています。

このマンガ、確か15巻くらいあったから、

これからゆっくり読み進めて、いろいろ考えたいと思いました。




特別支援学級を受け持って、5年目になりましたが、

その間に、2人のお母さんから、同じことを言われました。

「周りの人に、発達障害のことを理解してもらいたい。」って。




ガーデニングのことを発信したいー☆というお気楽な気持ちでこのブログを始めましたが、

あの2人のお母さんの言葉がずーっと心に残っていて、

それで、迷うこと1年。。。

支援学級担任の視点から、発達障害や特別支援教育のことを発信してみよう、と決めて、ブログに書き始めました。




方向転換です。

とても勇気が入りました。




これまでのブログにも書いてきたように、まだまだ勉強中です。

ようやく、特別支援学校教員の免許を取るための単位取得が終わった、という段階。

LDについて学んでいるところ。

ビジョントレーニングやコグトレなどの、支援の手立てを知り、実践を始めたところ。

特別支援教育については、まだまだ駆け出しで、

自信がなくなったりしてしょっちゅう気持ちがぐらついたりするけど。。。

多分、日本の社会は、みんな私とあまり変わらないんじゃないかな、と思います。

だから、私のブログを読んで、現在進行形の「特別支援教育の現場」を感じてもらえたら。。。と思います。

そうやって、少しずつ発信していく中で、

発達障がいのことや、特別支援教育のことを知ってもらえたら、と思います。




知らないから、誤解や偏見が生じるんですよね。

まずは、知ってもらうこと。

知ることで、何かが変わる。

変えるためのお手伝いが、少しでもできるかも。もしかしたら。。。

その気持ちだけを持って、自分のブログの方向転換をしたのです。




このマンガを読み進めていく中で、また色々と揺さぶられることでしょう。

そうやって、考えたことを、言葉にして発信していきたいと思います。



おすすめです。





長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。




それでは、またね。











  

Posted by 嶺井ゆかり at 09:17Comments(0)特別支援教育

ご訪問いただきありがとうございます。



飛行機の中から撮影しました。

雲の上から見た夕焼け。とっても素敵な景色でした。


※ ※ ※ ※


レジリエンス・スポーツセンターの栄先生から学ばせていただく機会がありました。

インターネットで検索すると、レジ・スポのコンセプトや活動の様子がよくわかるので、

興味のある方は検索してみてくださいね。



「子どもたちは、常にがんばっているんです。」という言葉が

印象的でした。

特に、大勢で学ぶ交流学級にいる時は、緊張MAX。

だから、支援学級に戻ってきた時には、緊張を緩めてあげる、という視点も大事だと。



体育館での全体集会では落ち着かない。その場に居られない。という場合。

人混みや、大きな(マイクなどの)声が苦手だから。。。という視点の前に、

「立つこと」そのものを苦痛に感じる子もいるんです。と。

それは、体の使い方がうまくいかないから起こることなんですって。




そういえば、夏休みに研修を受けた「ビジョン・トレーニング」の先生も、

体の使い方の話をしていたなあ。



発達に課題があるお子さんに多い不器用さ。

体幹がしっかりしていないお子さんも多くいます。(これは、通常学級に通う子にも多く見られます。)

トレーニングで、しっかりした身体を作り、生きる力をつけていこう。

という考え方は、特別支援教育に携わる私たち教師も、学ぶ必要があると思います。




ここ2年くらいの間に、つくづく思うことですが、

私の仕事は、発達に課題があるお子さんへ分かる授業を行うこと、と言う以前に、

一生を通じて緩やかに発達していくであろう支援学級のお子さんたちの

「発達の土台を支える」諸々のことを教える(支援する)ことだなあ。。。って。

特に、小学校低学年では、このような考えで接していくことが大事じゃないかなあ。。。と思うようになりました。





支援学級を受け持った最初の頃は、

後々困らないために、しっかり学習させることや集団での動き方を教えることが大事なことだと思っていました。

だから、交流学級に行きたがらない子を半ば強引に連れて行ったり、

学習に乗らない子を、叱咤激励しながら学習させたりしていました。




でも、あまり上手くいかないんですね。

あとは、私も、保護者も、本人も、苦しくなっていく。。。。

発達の課題が大きいお子さんほど、そんな感じになりました。




なんか違うよね。。。




そんな思いから、いろんな研修に参加して学びを深めていくなかで、

「発達の土台を支える」と言うことがすごく大事なことだと思うようになりました。

そのための、カウンセリングだったり、ビジョン・トレーニングだったり、コグトレだったり。。。。

ペアレント・トレーニングの手法を学ぶ必要性も感じています。




外国と比べて、日本は、発達障がいについての支援方法は遅れています。

でも、民間には、レジ・スポの栄先生のように、新しいアプローチを行なっている方が沢山いらっしゃる。

そこから、教師が学ぶことも大事じゃないかなあ。。。。




特別支援学級の担任だけじゃなく、

全ての教師が知識として持っておくことは意義のあることだと思うんですよねー☆





栄先生から学んだことで、

いろんな思いが出てきました。




自分にできることから、始める。




私は、ビジョン・トレーニングから始めてみたいと考えています。



楽しみながら。。。。




それでは、またね。








  

Posted by 嶺井ゆかり at 06:00Comments(0)特別支援教育